◆ ナイフの鋼材とハンドル材 ◆

鋼材名 
成分と特性
440-C(SUS・440C)
カーボン1.0%、クローム17〜18%、モリブデン0.45%,耐腐性を高めるためにクロームを多く、切れ味を良くするためにカーボンを多く含有させてある。代表的なナイフ用鋼材の一つで、アメリカで開発された鋼材である。440Cの名称は、アメリカで使われていて、SUS基準によるもので炭素の含有率に応じて、A.B.Cのランクに分けられ、最も含有率の高いものが、440Cと呼ばれる。錆に強い鋼材として、カスタム材としてよく使われている。実用硬度はHRC57〜 59とやや低め。
440-A(SUS・440A)
カーボン0.6%、クローム17〜18%、モリブデン0.4%、18クローム材、USA規格。愛知製鋼のクローム項(ステン)。特長は18クローム鋼であるため、錆に強く包丁・ダイバーナイフ等に使用。
8A(AUS・8)
カーボン0.8%、クローム13〜14%、モリブデン0.25%、バナジューム0.1〜0.3%。 愛知製鋼で作られているステンレス鋼。440B鋼に近い組成性質を持っている。クローム成分の含有率がやや低いが、研ぎやすく、扱いやすい鋼材としてファクトリーナイフに広く使用されている。実用硬度56〜58
ATS-34
カーボン0.97%、クローム14〜14.5%、モリブデン4.0%。カーボン系の高炭素鋼に耐腐性を高めるためにクロームを多く、切れ味を良くするためにカーボンを多く含有させたもので、日立金属が開発した優秀な特殊ステンレス鋼。刃物の良さ、粘り強さ、錆に対する強さと、ナイフ鋼材に求められる様々な要素を、バランスよく備えている。現在では、最高のポピュラーな鋼材である。 ラブレスをはじめアメリカの有力なカスタムメーカーが採用している。 実験用硬度HRC60〜61
M.V.S-8
Mはモリブデン、Vはバナジュウムで0.02%〜0.03%含有するもので、8はカーボン含有を意味する表示、つまり、ステンレス鋼材にカーボン0.8%、他にモリブデン・バナジュームを含有された鋼材。
V金ゴールド
武生鋼材の13クロームステンレス鋼、カーボン1.0%。硬度60度くらいに入る。切れ味はとても良いが研磨とか刃付がとてもむずかしくコストが高くつく。
V金2号
武生鋼材の13クローム系ステンレス鋼。V金コールドとよく似た鋼材であるが、 V金ゴールドより作業はやや易しい反面、V金ゴールドにくらべやや切れ味は劣る。
ハイス鋼
ハイスピード鋼と呼ばれる高速度工具鋼の略称。高い硬度と対磨耗性を持つ高級鋼材だが、錆に弱い。ハイス鋼には、
@モリブデンを多量に含むモリブデン系
Aタングステンを多量に含むタングステン系 の2種類がある。実用硬度61〜63
ダマスカス鋼
2種類の金属を重ね合わせて作る鍛造鋼。鍛造の過程で、重ね合わせた異種の金属板に折り返しや切り重ねを何回も繰り返し積層させる。したがって完成時には、数多くの金属層が形成され、独特の美しい波状の縞模様が現れる。
炭素鋼(Carbon Steel)
炭素鋼は鉄と少量の炭素で作られています。炭素鋼は含まれる炭素量で、低炭素鋼、中炭素鉄鋼、高炭素鋼、及び非常に高い炭素鋼の4つに分類されます。低炭素鋼は0.05%から0.3%の炭素を含んでいます。 中型炭素鋼は0.3%から0.5%の炭素を含んでいます、そして、高炭素鋼は0.5%から0.95%の炭素を含んでいます、そして、非常に高い炭素鋼は0.96%から2.1%の炭素を含んでいます。 高炭素鋼は、刃物を作るために最も広く使用された炭素鋼で、熱処理により硬度と靱性の良いバランスを維持できますが。焼き入れにより硬度はステンレス鋼より高くでき良いエッジを保持できますが、錆に弱いと言う欠点があります。
複合鋼(Composite steel)
複合鋼は、複数の材料を圧接や鍛接により1つの部材とした鋼を言います。その代表的な物が日本刀です。 日本刀は、玉鋼・銑鉄・包丁鉄の3種類を積み上げ加熱し小槌で叩いて鍛接します。そのときの配合は、含有炭素量が異なる心金(しんがね)、棟金(むねがね)、刃金(はのかね)、側金(がわがね)の4種類に作り分けされ、厚さ20mm、幅40mm、長さ90mm程度の鋼にします。 四方詰鍛えの造込みでは、側金、芯金、側金の順で重ね、鍛接します。厚さ15mm、幅30mm、長さ500〜600mm程度に打ち伸ばされ、刀の握り部分になる、茎(なかご)が鍛接され刀の形に打ち延ばされます。多くの和包丁や、現在のダマスカスと呼ばれる鋼も複合鋼です。
青紙スーパー
カーボン1.45%、クローム0.47%、モリブデン0.41%、バナジュウム0.36%。日立金属が開発した優秀なハイカーボン鋼。長が切れし、耐久性に富んでいるが、ハイカーボン鋼のため鍛造時点の温度管理が大変むずかしい。刃物鋼としては最高級のレベルである。
銀紙1号
カーボン0.8%、クローム15〜17%、タングステン0.4%。日立安来鋼銀紙1号の略。13クローム系ステンレス鋼。この鋼材は、カーボン系の高炭素鋼にクロームを含有させた新しい鋼材である。
ステンレス系刃物鋼では、サビにくく切れ味も安定している。
青紙2号
カーボン1.1〜1.2%、マンガン0.2〜0.3%、クローム0.2〜0.5%、タングステン1.0〜1.5 %。日立金属の炭素鋼で、古来からの日本製の刃物(和包丁など)に多く使用され、サビ易いが切れ味はよい。

ハンドル材
特徴

 エボニー
黒檀のこと。柿の木の仲間で、硬く強い。色は焦げ茶から黒。独自の縞模様。
ココボロ
中南米産出の、油脂分を多く含む硬い木。赤みのある焦げ茶系。
ハードウッド
ハンドル材として使われる天然木の総称。
ローズ・ウッド
亜熱帯地方産の硬い木。油脂分が多く、目が細かく揃っている。赤味の強い茶色に黒褐色の稿模様。
アバロン
あわびの貝殻の内部部分。黒く浮き出た線状模様と、緑系主体の色調。
ブラック・パール
あこや貝に似た、黒蝶貝の貝殻。黒ずんだ真珠の輝き。 B.Pと略されることもある。
マザー・オブ・パール
白蝶貝の貝殻。白く輝く、美しい真珠色。
サンバースタッグ
インド産の鹿角。大型種で、角も大きい。ハンドル材のスタッグ(鹿角)はほとんど、これ。
ハニーホーン 
水牛の角。飴色の半透明な色調。ハンドル材としては、柔らかい。

アイボリーマイカルタ
紙をベースにしたマイカルタ。象牙のような色合いからの名称
ウッドマイカルタ
木を素材としたマイカルタ。見た目は木と同様。本来は飛行機のプロペラ用材。
キャンバス・マイカルタ
麻の布地に樹脂加工したマイカルタ、仕上段階の選択で、ざらざらした高い滑り止め効果。強度的に優れている。
ストーン・マイカルタ
貴石や樹脂の粉末、小片を樹脂加工したマイカルタ。テラゾと呼ばれる物も 同類。
リネン・マイカルタ
樹綿の布地に樹脂を侵透させたマイカルタ。キャンバス・マイカルタよりも
地模様が細かい。
ザイテル
デュポン社の開発した新素材。軽くて強く、薬品、溶剤などに冒されない。絶縁性が高い。

元素名
含まれることにより得られる性能
炭素(C)
硬度、耐摩耗性、1.5%以上になると脆さが目立つ。
ケイ素(Si)
耐蝕性
マンガン(Mn)
耐蝕性
クローム(Cr)
耐蝕性、13%以上含まれるものがステンレススチールと呼ばれる。
バナジウム(V)
組成が細かく均一化される。研ぎやすく刃持ちがよくなる。
モリブデン(Mo)
粘り強くなる。刃こぼれが起こりにくい。研ぎあがりがよい。
コバルト(Co)
硬度が高くなる。
タングステン(W)
硬度が高くなる。

 

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